《レポート》韓国の6人組グローバルボーイズグループTEMPEST、日本コンサートで 見せつけた成長と進化
『2024TEMPEST CONCERT 〔T-OUR:TEMPEST Voyage〕in JAPAN』が12月15日(日)東京・Zepp DiverCityで行われた。
TEMPESTが日本で単独コンサートを行うのはショーケースを含めこれで3回目。先日韓国のサバイバル番組「ROAD TO KINGDOM: ACE OF ACE」に出場したTEMPEST。番組出演を経て新しくファンになった人たちも駆けつけ、今回初めてフロアはオールスタンディングとなり、日本のみならず海外からもiE(*ファンダム名)が大勢駆けつけた。
すでに興奮と期待が集まるステージに登場した6人。
髪色を金髪から黒に変えて登場したリーダーLEW、太陽のような笑顔を持つハンビン、日本語がうますぎるヒョンソプ、見た目の儚さとパワフルなダンス、優しい歌声のギャップを持つヒョク、他グループからも一目置かれるスタイルとビジュアルを持つウンチャン、かわいいとかっこいいが両立する低音ボイスのマンネ、テレ。
前日の大阪公演での白い衣装とは真逆の黒の衣装で登場し、JAPANデビューミニアルバム収録の日本オリジナル曲「Baddest Behavior」からスタート。歓声が鳴りやまない空間のなか、アイドルのかわいらしい雰囲気を封印し、アーティストとしての気迫のこもった熱いステージを見せた。
その後も止まることなく「Dragon(飛上)」「Young&Wild」と続けて披露。TEMPESTらしいキャッチーで力強い曲でiEたちを夢中にさせた。
トークタイムになると全身からあふれ出る汗を拭きながら、iEたちに挨拶。どこに行っても「日本語が上手」だと褒められる日本大好き日本語担当ヒョンソプが中心となり、ほぼ日本語でトークを繰り広げる。客席にも明かりが灯り満員になった会場を見てメンバーたちはどう思ったのだろうか。オープニングとは違いリラックスした表情も見せた。
トークもそこそこにそのあとすぐに日本オリジナル曲「BANG!」、そして韓国の地上波音楽番組で初めて1位を獲得した「Vroom Vroom」ではiEの掛け声もMAXに!TEMPESTとiEが作り上げるステージとなった。
次のステージパートはまさに「ROAD TO KINGDOM: ACE OF ACE」の世界。エース対決のために準備したLEWのソロパフォーマンスからスタート。「Dr.Frankenstein」の苦悩や覚醒を真っ白な白衣とステッキをうまく使いながら魂のこもったダンスを見せた。その覚醒したDr.Frankensteinが中心の「MANIAC:Freaky Lab」へとステージは続く。鎖や王冠を使いダンスや歌だけでなく顔の表情も細部にまでこだわった迫真のステージだ。メインボーカルヒョクがやわらかく優しい歌だけでなく、この力強い個性的な曲すらも歌いこなしなめらかな動きを加えつつキレのあるダンスをする姿も印象的だった。
iEのリアクションを確かめるようにコンパクトにトークを展開し、すぐにハンビンとヒョクによる、こちらもエース対決のために準備したパフォーマンスを披露。赤いリボンが印象に残る妖艶な振付だが、息を合わせるために準備中常に一緒に行動を共にしていたという二人。まさに息がぴったりと合った素晴らしいパフォーマンスで一つの物語を見ている、そんな気持ちになった。
そしていよいよVoyageの始まり・・・。荒れ狂う海をiEという灯台を目指して突き進むTEMPESTを象徴するステージの幕開けだ。
「LIGHTHOUSE」-Japanesever.-の爽やかながら切なさの残るイントロが始まるとiEたちの掛け声も再びスタート。会場が一体となったところで「ROAD TO KINGDOM: ACE OF ACE」でも人気の高かったTEMPESTらしいキラキラとした不思議の国のアリスの世界観を表現したステージに。「EYE OF THE TEMPEST」「Can’t Stop Shining」をかっこいいからかわいいへと変化しながら見せつけた。ハンビンの笑顔を象徴するようなパフォーマンスに掛け声も一層大きくなった。
iEお待ちかねのカバーステージは、前日の大阪公演と1曲を変えて披露。嵐の「ONE LOVE」なにわ男子の「初心LOVE」2曲がTEMPESTの甘い部分を見事に表現しているように感じた。「初心LOVE」のキーパート「ねえ、今もだよ」というセリフはマンネのテレが担当。持ち味の低音ボイスで甘くささやくとフロアが割れるような歓声が響いた。
カバー曲なのにまるでTEMPESTの曲のように消化する6人に毎回感動させられる。そこには日本語担当のヒョンソプの存在が大きい。日本が大好きで日本のアニメ、ドラマ、本、曲などにも沢山触れているヒョンソプは今回もトークタイムを主導。メンバーたちが言うように日本語のアクセントなどもヒョンソプがアドバイスをすることも多いそうだ。日本語カバー曲をヒョンソプがリードすることで、一気にJ-POPの世界観が広がって日本人にとっては馴染みやすい。またウンチャンの伸びやかな声もカバー曲によく合い、ビジュアルで魅せるだけでなく甘い歌声でも魅了した。しかし何度も言いたい。本当にヒョンソプの日本語曲の歌唱はずば抜けている。素晴らしい。
その後は白ベースにカタカナの「バブルガム」と書かれた衣装を身に着け登場。それまでのどこかシャープなスタイリングからやんちゃなイメージのするスタイリングになった。そして今回の2ndミニアルバム「Bubble Gum」のタイトル曲「Bubble Gum」へ。披露前にはLEWがiEたちにサビ部分の掛け声を確認する瞬間もあった。弾ける明るさと楽しさを詰め込んだ「Bubble Gum」で飛び跳ねたあとはiEたちが大好きな曲「DIVE」へ。海の中をイメージしたステージからそのまま「Taste The Feeling」へ。おもちゃ箱のようなかわいらしさの詰まったこの曲でTEMPESTの可愛らしさを仕上げた。
そして注目すべきは「Slow Motion」-Japanese ver.-。LEWが振付を考えたそうでミュージカルを見ているような演技や振付が入っていて6人はこんなこともできるんだと感じさせられた。
その後iEへのクリスマスプレゼントとなるクリスマスステージへ。おなじみのクリスマスソング「Last Christmas」をサンタやトナカイなどのカチューシャをつけて歌い上げた。メンバー同士じゃれ合う姿も見られ、普段の仲の良さを感じることができた。クリスマスバージョンの「Raise Me Up」で仕上げるとコンサートはラストパートへ。
デビュー曲「Bad News」ではダンスブレイクタイムもあり、リボンやスカーフなどを使ったりブレイクダンスを見せたりとアクロバティックさも見せつけた。遊び心満載の「Freak Show」でラストパートの最後を迎えると大盛り上がりのなかコンサートメインステージは終了。
ただここで終わることなく2回のアンコールに応えたTEMPEST。しっとりと歌い上げる日本オリジナルバラード曲「Broken Record」。その後メンバー1人1人からiEへの感謝のメッセージが伝えられた。ベトナム出身のハンビンは手紙に日本語でのメッセージをびっしり書いて読み上げた。あたたかい心を持つハンビンを象徴するシーンだった。
「Dangerous」を披露してもアンコールを望む声が止まず、再度「Bubble Gum」と「Bad News」を披露してiEとの交流しながら幕を閉じた。
活動するごとに少しずつiEを増やしてきたTEMPEST。彼らにとってそれを体感できるコンサートだったに違いない。時には迷いながらそれでも一生懸命努力を続ける6人の2024年を締めくくるステージになったはずだ。努力による成長や進化が感じられた今回のT-OUR in Japan。次はどんなパフォーマンスを見せてくれるのか今から待ちきれない。
(text:aiko Yaginuma )
セットリスト
01.Baddest Behavior
02.Dragon(飛上)
03.Young & Wild
04.BANG!
05.Vroom Vroom
06.Dr. Frankenstein + MANIAC:Freaky Lab
07.Rise + LIGHTHOUSE -Japanese ver.-
08.EYE OF THE TEMPEST + Can’t Stop Shining
09.ONE LOVE(嵐) + 初心LOVE(なにわ男子)
10.Bubble Gum
11.DIVE
12.Taste The Feeling
13.Slow Motion -Japanese ver.-
14.Last Christmas(Backstreet Boys)
15.Raise Me Up(Christmas Remix ver.)
16.Bad News
17.Freak Show
ENCORE
01.Broken Record
02.Dangerous
W ENCORE
01.Bubble Gum
02.Bad News
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